魔法のコンパス 道なき道の歩き方 西野亮廣著
なんだろ、この本。ふと手に取った。でもあれか、芸能人が書いたビジネス本か。
あー、どうしようかな。迷いながらもレジを通したその本は、その後の彼の人生をより面白く、より刺激的にするものだった。
――それはまるで、冒険の書のようなビジネス書。
「箱根駅伝はなぜ面白くないのか」という、箱根駅伝ファンに聞かれたら、間違いなく怒られそうな衝撃的な話から始まり、お金の正体、はたまた戦争がなくならない理由まで。
全ての発想が新しいーーいや、知ってはいたけど考えていなかったことであり、それらは全て自身がやってきたことなので説得力は尋常ではない。
行動しなければ意味はないし、考えなければ始まらない。
今の自分に、状況に、会社に、世界に、何かもやもやしたものを感じるのなら、この本を手に取るのもいいかもしれない。
「ドキドキしながら仕事してる?」
1ページ開く毎に新しい考えが自分の中に生まれてくる。この西野亮廣という男はなんて楽しそうに生きているんだ。次の一手として、何を考えているんだ。
想像するとこっちまでドキドキしてきた。
「俺は西野亮廣さんのファンではない。断じてない。」誰に言い訳するわけでもないのにぶつぶつと呟きながら、彼はその本をお勧めの本としてこの図書館にそっと置いた。