コーヒーが冷めないうちに 川口俊和著
大学受験の勉強中に息抜きとして、ブックカフェでコーヒーを頼んで、本を探しに出かけた時に手に取ったのがこの本でした。コーヒーカップを傾けながら、優雅に読書タイムを決め込もう思っていたのですが……ボロっボロ泣きました。優雅さのかけらもありませんでした。
いままで、映画やTVなどを見て泣いたことのない僕は初めての経験にびっくり。ただ、読んだ後のすっきり感は忘れられません。
とある街のとある喫茶店の、とある座席には、不思議な噂がありました。
その席に座った者は過去に戻れる――
そんな不思議な噂に引き寄せられて、4人の女性が喫茶店フニクリフニクラに訪れます。
『恋人』、『夫婦』、『姉妹』、『親子』、喫茶店で起こる小さな奇跡の物語。
彼女たちは何を後悔し、何のために過去へと旅立つのか。
何も変えることなんてできない。
助けることなんてできない。
それでも、彼女たちは「過去」へ戻り、もう一度、「今」を生きる。
では、いってらっしゃいませ。必ず帰ってきてくださいね。
コーヒーが冷めないうちに。
切ないけれど愛おしい。悲しいけれどあったかい。そんな本と出会えてよかったなあ。
なので、この本を僕はおススメの一冊としてこの本棚に置いていきますね。